建築物データベース

山形の建築作品一覧

名称 山形まなび館
概要

○設計趣旨
 山形市立第一小学校旧校舎は、昭和2年に竣工した山形県最初の鉄筋コンクリート造3階建ての校舎です。ドイツ表現主義とアール・デコ装飾様式の建物で、学校建築史上においても貴重な建物で、平成13年に国の登録文化財として登録されました。
 平成19年8月に提出された「山形市立第一小学校旧校舎保存活用に関する提言」に基づき、全館の耐震補強工事並びに、地階と1階の用途変更改修工事を行い「山形まなび館」として生まれ変わりました。文化財的価値を持つ建物として設計上配慮したのは、安全性の確保、文化財的価値の保存、適切な活用計画に対応出来る耐震補強計画とし、意匠は建設当時の設計図を基に復元に努め、新校舎も旧校舎との意匠の調和をはかりました。

名称 山形大学工学部創立100周年記念会館
概要

○設計趣旨(文責:高宮眞介)
2006年に行われた公募型プロポーザルの要項の中に、事業者がこの建築に求める条件として、「大学のシンボルとなる建築」とか「格調ある集いの場」といったコンセプトが謳われていました。私たちはそれに応えるために、簡潔で自律性の高い幾何学的な建築の構成を提案しました。そしてこの建築にダイナミックな動きを組み込むため、エントランスホールに設けたスパイラル状の階段が、2階から外部の階段に連続し地上の正面広場まで達するような提案をしました。もう一つの提案は、正門の軸線上に「100周年記念プラザ」を計画し、この建築が、そのプラザを挟んで明治期に建てられた本学部の前身、米沢高等工学校の旧本館(重要文化財)の側面に対面するように配置することでした。平成の簡潔な建築が明治の様式建築に対峙することによって、正門にふさわしいアイデンティティをそこに付与し、併せて学部100年の校史を顧みる契機となることを願いました。

名称 山形市 霞城公園・東大手門
概要

 山形城は、最上氏の祖斯波兼頼が、延文2年(1357)に築城したと伝えられている。兼頼の子孫は、その後最上氏を称して、代々居城した。最上氏11代当主義光の代に関ヶ原合戦の戦功により57万石の大々名となり、実質100万石の城下町として山形は繁栄した。
 現在は、ニの丸塁濠を残すのみであるが、戦後の昭和24年に、霞城公園として一般に開放された。また昭和61年5月に、公園二の丸跡と三の丸跡の一部が、国の史跡に指定されている。ニの丸東大手門は、市制100周年記念事業の一つとして昭和62年に着工し、約6年の歳月を費やし、平成3年3月、史実によって木造建築で復元され、名所の一つとなっている。

名称 山形県立新庄病院 ~最上二次保健医療圏唯一の中核病院~
概要

■特徴

 山形県の北部、最上地域に位置する新庄市は、山並みに囲まれた自然豊かな地域となっています。当施設の外観は、周辺に広がる豊かな山並みに調和するよう、裾野のように広がり安定感の感じられる低層部と、山並みに呼応するよう水平性を強調した高層部とを一体的に計画しています。
 建物の顔となる1階正面は、天井に県産スギLVL材を使用した「山型」キャノピーとスチールサッシにより、来院者を迎え入れる開放性の高い設えとしています。また、外壁色は、かつて新庄・最上地域で盛んだった養蚕の繭の色をイメージして仕上げています。
 内部は、県産スギ・カラマツをLVL材として、天井・壁・家具・建具の仕上に活用し、院内全体にわたり県産木を主役に据えた温かみのある空間を実現しています。

名称 山形県立東桜学館中学校・高等学校
概要

■設計趣旨
 山形県初の併設型中高一貫校が東根市に建設されました。商業・業務施設の集積著しい東根市中央地区の一画に敷地があります。敷地東側にグラウンドを配し、コの字型の平面計画となる2棟の校舎棟と体育館棟が西側の商業街区に面しています。そこにプロムナード・中庭・駐車場などのオープンスペースを介在させ、周辺への視覚的圧迫感を軽減できるようにしました。外装の一部には木製ルーバーを施し、自然の風合いを併せ持つ落ち着きと品格ある外観です。内部では明快な動線の設定を重視し、中・高6学年の教室群と特別教室群・管理系諸室群などのクラスターが多層的に重なり、内装には県産木材を多用し、ぬくもりある落ち着いた学習環境づくりの実現を図っています。さらに教室棟と体育館棟をつなぐ交流スペースでは中・高の生徒が交わり、活気と賑わい溢れる場になることが期待されます。