建築物データベース

山形の建築作品一覧

名称 甑葉プラザ
概要

 平成18年に行われた設計者選定のための公募型プロポーザルのテーマは「交流と学習による賑わいの創造」でした。これに応えるため、設計では図書館と平土間の多目的ホールを主とする複合的な機能をもった諸室を、建物中央の「祝祭広場」を取り囲むように配置し、2階にはそれらを繋ぐ回遊路を設け、ここを訪れる人の視線が交差し、日常的な賑わいを生み出す場所を多く計画しました。夏祭りや四季折々のイベントがこの広場を中心に繰り広げられ、非日常的な賑わいが華を添えます。
 建築上は雪国の地域性を考慮し、融雪対策や雪除けのための軒空間を多く設けるなどの計画を行いました。また曇天の長い冬の中にある図書館のインテリアとして、ガラスクロスの光天井を発案し、開放的で明るい意匠を心がけました。(高宮眞介)

名称 山形大学工学部創立100周年記念会館
概要

○設計趣旨(文責:高宮眞介)
2006年に行われた公募型プロポーザルの要項の中に、事業者がこの建築に求める条件として、「大学のシンボルとなる建築」とか「格調ある集いの場」といったコンセプトが謳われていました。私たちはそれに応えるために、簡潔で自律性の高い幾何学的な建築の構成を提案しました。そしてこの建築にダイナミックな動きを組み込むため、エントランスホールに設けたスパイラル状の階段が、2階から外部の階段に連続し地上の正面広場まで達するような提案をしました。もう一つの提案は、正門の軸線上に「100周年記念プラザ」を計画し、この建築が、そのプラザを挟んで明治期に建てられた本学部の前身、米沢高等工学校の旧本館(重要文化財)の側面に対面するように配置することでした。平成の簡潔な建築が明治の様式建築に対峙することによって、正門にふさわしいアイデンティティをそこに付与し、併せて学部100年の校史を顧みる契機となることを願いました。

名称 山形まなび館
概要

○設計趣旨
 山形市立第一小学校旧校舎は、昭和2年に竣工した山形県最初の鉄筋コンクリート造3階建ての校舎です。ドイツ表現主義とアール・デコ装飾様式の建物で、学校建築史上においても貴重な建物で、平成13年に国の登録文化財として登録されました。
 平成19年8月に提出された「山形市立第一小学校旧校舎保存活用に関する提言」に基づき、全館の耐震補強工事並びに、地階と1階の用途変更改修工事を行い「山形まなび館」として生まれ変わりました。文化財的価値を持つ建物として設計上配慮したのは、安全性の確保、文化財的価値の保存、適切な活用計画に対応出来る耐震補強計画とし、意匠は建設当時の設計図を基に復元に努め、新校舎も旧校舎との意匠の調和をはかりました。

名称 鶴岡市立藤沢周平記念館
概要

■設計趣旨
 鶴岡市立藤沢周平記念館は鶴岡公園の緑に恵まれた環境の中で、藤沢文学の世界と親しく対話する場所です。記念館はこの歴史的環境の中で静かに佇み、訪れる人をやさしく迎え入れます。けっしてこれ見よがしに存在を主張することなく、藤沢作品から私たちが感じるような、抑制がきき静かでそして凛とした雰囲気のある存在感を表現しています。内部には地元産木材でつつまれた、やさしく落ち着いた心地よい空間が作られています。展示室で藤沢作品と触れ合ったあとには、周辺の歴史的・自然的環境と一体となったサロンでその余韻を楽しむことが出来る様配慮しました。

名称 寒河江市屋内多目的運動場 チェリーナさがえ
概要

■設計趣旨
 寒河江市では、冬季も健康増進のため屋外スポーツが楽しめ、通年利用のできる施設を望む声に応え、屋内多目的運動場の整備が進められました。
 建物は積雪1.5mに耐える35m×51mの大屋根を支える構造として、張弦梁と吊り構造を組み合わせた「複合式張弦梁構造」としています。張弦梁をマストから吊り、上弦材の負担を軽減スリム化し、外部架構はこの張弦梁を吊るため、バックステイを基礎に定着する構造です。
 スポーツ施設にふさわしく、力感のあるダイナミックな形態をめざしました。外壁・屋根をガルバリウム折板、採光開口はプラスチックの折板を採用、軽量化とコスト縮減をはかりつつ、鉄骨の亜鉛メッキなどの素材を率直に表現するデザインとしています。